今回は、瓦の漆喰の剥がれなど、著しく劣化した状況について紹介します。

瓦屋根の漆喰は広い範囲でひび割れが発生しており、所々で剥がれて中の土が見えているような箇所などもあります。漆喰は棟瓦を固定する役割を担っているので、この部分が著しく劣化して機能しなくなると棟瓦の歪みや脱落が生じることがあります。また、そうなると雨漏りが発生するなど不測の事態が起こることもあるので注意が必要です。

漆喰の寿命は１５年～２０年程度が目安です。劣化の症状が軽度であれば漆喰の詰め直しを、重度になると棟瓦の取り直しを行うことが一般的です。取り直し工事となると、コストも高くなってしまうので、重症化する前に点検およびメンテナンスを検討することが重要です。

鬼瓦と棟瓦のつなぎ目に施した漆喰も酷く劣化し、隙間が生じています。鬼瓦の周辺の漆喰は、特に劣化しやすいのでこまめにチェックし、出来るだけ早く対処することが重要です。

この部分に隙間ができると、雨水が入り込み土台となっている葺き土が流出する恐れがあるほか、雨漏りの原因になる事も珍しくありません。

今回の調査により、瓦屋根の漆喰にひび割れや剥がれなどの劣化症状があることがわかりました。この結果をお施主様にお伝えし、詰め直し工事を実施することになりました。