モニエル瓦に、塗装が必要な理由とは?
今回はモニエル瓦の特徴や塗装が必要な理由と併せて塗装時を難しくするスラリー層について紹介します。
モニエル瓦は瓦の一種で断熱性が高く30年を超える耐用年数を持つことが大きな特徴です。2010年まで日本でも生産していましたが、製造開所が撤退したことで現在は製造されていません。なので、モニエル瓦を新しく用意する事は非常に困難です。
モニエル瓦の一番の特徴は、瓦でありながら塗装メンテナンスを必要とすることです。塗装を必要としない和瓦などが粘度などを主原料とする一方で、モニエル瓦の主原料はスレート屋根材と同様にセメントが使用されています。そのため、そのままの状態では雨水などを吸収してしまう事から、塗装を施すことで防水性を付与する必要があります。
塗装の劣化・剥離の進行は苔の繁殖により美観を損なう事や成分であるカルシウムが流出してしまう事でモニエル瓦自体が脆くなってしまう事に繋がります。特に流出したカルシウムは塗装を施しても元には戻りませんので、耐久性を維持する為にも定期的な塗装メンテナンスをする必要があります。
モニエル瓦の表面にはスラリー層と呼ばれる着色層が存在し、これが塗装メンテナンスを難しくする原因となっています。スラリー層の処理を行わずに塗装を施してしまいますと直ぐに塗膜が剥がれてしまうためです。
モニエル瓦の塗装には、①高圧洗浄を念入りに行いスラリー層を除去する②スラリー強化プライマーを使用してスラリー層を強化する、のどちらかになります。
また、モニエル瓦と見た目が似ている上に塗装メンテナンスを必要としているセメント瓦と混同しやすい事も塗装を難しくしている原因の一つです。セメント瓦の塗装には特殊な処理が必要ないことから、経験・知識が乏しい塗装業者がモニエル瓦をセメント瓦と勘違いして通常の塗装を施してしまい、結果的に塗装施行が失敗に繋がってしまう事も考えられます。
モニエル瓦は優れた断熱性・耐久性を備えている一方、塗装メンテナンスが必要な瓦であるため注意が必要です。また、モニエル瓦の塗装には表面のスラリー層へ特殊な処理を施す必要があり、セメント瓦かどうか判断することも含めメンテナンスが難しいとされています。
モニエル瓦をご使用されている方がおられましたら、長く安心してご使用頂くためにも定期的な塗装メンテナンスをされることをおすすめします。
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