池田町でかわらUの屋根を調査しました
池田町のお客様より、屋根が傷んでいるので葺き替えを検討しているとお問い合わせをいただき、現場を確認して参りました。屋根を拝見すると、セキスイの「かわらU」という屋根材が使われていました。1970年から2007年までの37年間のロングセラー商品として名高いかわらUは、当時ではまだ珍しかったカバー工法ができる屋根材として一世を風靡しました。カバー工法とは既存の屋根撤去せず新しい屋根を上から葺くという工法で、廃材がほとんど出なかったり撤去の手間がなく工期も短く比較的安価に施工できます。とても画期的なメンテナンス方法として人気を博し、現在もカバー工法は屋根メンテナンスの主流となっています。非常に多くの住宅でかわらUを使ったカバー工事が行われて行きましたが、後々かわらUの問題が発覚していきます。
かわらUの特徴として、塗装の剥げやすさが挙げられます。他の屋根材と比べて異常なほど早いため、再塗装をしたとしても表面がはがれてせっかくの塗装がまた直ぐに剥げていってしまいます。塗装が剥げるだけなら景観の問題かと思うかもしれませんが、実はかわらUをはじめとするセメンんとを原料とした屋根は、元々の素材が水を吸ってしまう為、塗装をする事で防水性能をもたせています。そのため、塗装が剥げれば屋根材そのものの傷みを加速させ、ひび割れや崩れを起こすようになっていきます。
今回はかわらUでもひび割れや苔の発生が確認できました。かわらUの特徴のもう一つは脆さとひび割れやすさです。特に外的力が加わったわけでもないのに、かわらUの屋根は自然とひび割れを起こすことが多くなっています。調査の際は上に乗るだけで割れてしまう事も多々ある為、状態を見て登ることを断念することもしばしばあります。
かわらUの屋根は基本的に葺き替えでしかメンテナンスができません。カバー工法で元々の屋根材が下に眠っている可能性もあるため、撤去が2重で発生する可能性も非常に高いので、メンテナンスを考える際はそういった可能性についてもお含みおきいただければと思います。
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