岐阜市にてお住まいのK様より、賃貸として所有している戸建ての漆喰補修をご検討中とのお問い合わせをいただきました。築35年が経過しており、これまでに外壁と内装はメンテナンスをされていましたが、瓦屋根の補修については一度もないとのことです。瓦はとても頑丈な屋根材ですが、漆喰は経年劣化による不具合が起きる部位ですので、住宅に影響が出てしまう前に補修をする必要があります。漆喰の状態を確認するため、早速現地へお伺い致しました。

　屋根に上がって確認しますと、漆喰の剥がれてしまった箇所にコケが繁殖している状態でした。苔が生えているのは棟内部に盛られている土であるため、漆喰が剥がれたことで雨が入る込んでいるのがわかります。このままだと露出した土が雨水を屋根内部へと引き込み続け、いずれ防水紙を傷ませて雨漏りが発生してしまいます。漆喰が無くなったことで土が流れ出ていくと、支えを失った棟が崩壊する危険性もありますので、早急な補修が必要となります。

　他の箇所を確認していくと、剥がれた漆喰が谷板金に残っておりました。谷板金は降った雨が流れる場所ですので、雨水をせき止めてしまうと思わぬ所からの雨漏りに繋がる事があります。丈夫な瓦屋根でも定期的な点検によるメンテナンスが重要となるのです。

　また、部位的に瓦を外して防水紙の様子も確認しました。雨漏りを防いでいるのは瓦でがなく、その下に設けられている防水紙です。今回は防水紙が傷むほどの状態とはなっていませんでしたので、棟部分の漆喰補修を行えば安心のようです。異常の調査結果を踏まえ、K様には漆喰詰め直し工事でのご提案をさせて頂きました。