岐阜市で、屋根の調査を行いました。屋根から漆喰の欠片が落ちてきたので屋根の状況を確認してほしい、というお問い合わせでした。漆喰は棟瓦と桟瓦の隙間を埋める様に詰めてあるのですが、これは、棟瓦の下地になっている土が雨水によって削れない様に詰めてあるので、漆喰が剥がれると土が削れて支えが無くなるため、早めのメンテナンスが必要です。

　漆喰の欠片が屋根から落ちてきた時は、欠片が1つだけだとしても全体的の棟瓦を点検する必要があります。

　棟瓦の先に取り付けてある鬼瓦部分の漆喰が剥がれていて土が剥き出しです。土が下地になっている棟瓦は漆喰によって雨水で削れない様になっていますが、土が剥き出しだと削られて支えが無くなり、棟瓦が崩れてしまいます。

　棟瓦は漆喰が剥がれた事で徐々に外側に広がり始めています。土が下地になっているので外側から支えが無くなると、棟瓦の熨斗瓦が外に広がって崩れ始めてしまいます。

　既に崩れ始めている所もありますので、全体的に直す事になりました。岐阜市で行う工事は「棟取り直し工事」です。棟に積んである瓦を一旦取り外して古い土を取り除きます。その後、新しい下地を作り棟瓦を積み直します。寄棟という屋根形状ですがですので、棟は5本あります。下地の状態を考えると全ての棟瓦の取り直し工事を行った方が良いでしょう。屋根全体の下地の劣化状態を見ると、次のメンテナンスは葺き直しや葺き替え工事などの屋根工事が必要になります。今回は最低限必要な棟取り直し工事で被害が出るのを防ぎましょう。